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『ワンダー詐ショウケース』

アーティスト&詐称プレゼンテーション作品紹介

WsSCプロデュースアーティスト紹介


WsSC # 

WFへの初回参加で『ワンダーショウケース』を射止めるというシンデレラストーリーを体現する存在と化したハト。そんな「ZBrush世代の申し子」である彼が、なぜ『ワンダー詐ショウケース』などという怪しいモノに近づいたのだろうかと皆、思うだろう。
「いつかはコンテンツの力に頼らず、造形力・表現力のみで勝負する」という事を考えており、第1回WsSCを見て自らの志向と一致していると感じた彼は、「こーほくに誘われたことをきっかけにWsSCにエントリした」と語る。過去にアマチュアとして発表した作品は、東方プロジェクトや艦これの数作とWSC#088「カリオストロ」の5作程度。発表作品こそ少ないが、その類稀なる技量をもって「たった5作」のうちにWSCを射止めたのは、まさにデジタル造形時代の寵児と言えるだろう。
Twitter上ではモンエナを呷りながら連日深夜までの作業を続け生活は基本的に夜型。自由になる時間もZBrushのプラグイン開発や趣味の造形に時間を費やしているという彼が、ZBrushのプラグイン開発と公開を積極的に行う理由を聞いてみた。
開発する理由は「アナログ原型師が自分の手に合うように道具をカスタマイズするのと同じ」と言い、公開する事に対しては「デジタル造形を行う切っ掛けとなった先達が惜しげもなく公開する姿を見ていた。自分一人だけではできる事に限りがある。沢山の人に使ってもらい、フィードバックを受けてこそ次のチャレンジが見えてくる」と遠くを見ながら語る姿は、業界だけでなく、人類全体の成長を望んでいるようだった。ハトなのに。
将来的には「造形を軸として、映像、デザイン等へ幅を広げるような活動をしたい」と語る彼の今後に注目していきたい。

text by Masahiko Yoruno

生まれ
家庭内での模型趣味理解度が高く、小学生の低学年時から模型雑誌を立ち読みすることを趣味としていた。
中学2年生のときいきなりフィギュア造形に着手し、高校1年生のときにガレージキットイベントでディーラーデビュー。
大学を卒業後、フィギュアデベロッパーたる『エルドラモデル』へ就職し、プロ原型師としての活動中。
WSC #088。

Twitter gennsounohato

WsSC#詐称プレゼンテーション作品解説


©cellgraphix


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nova

Original Illustration by cell ( @cellgraphix )

商品販売価格
展示のみ

仕事で死にそうなので、全然間に合ってません。
誰か何とかしてください。タスケテ! by Hato

若手気鋭イラストレーター「cell」のイラストレーションの立体化である。
ハトは硬いものからゆるいものまでオーダーがあれば何でもこなすオールラウンダーだが、巨大なレールガンのハードサーフェスと、女性の肢体の繊細さを見事に融合させている。
ハト愛用のツール「ZBrush」は本来、粘土をこねるような造形が得意だが、近年のバージョンではメカ等を造る機能も多く搭載されている。もちろん必ずしも容易に使いこなせるものでは無く、ここではハトのツール機能に対するあくなき興味が如何なく造形に発揮されている。
こうした硬いもの+やわらかい物の融合はえてして造形の境界が中途半端になってしまいがちだが、メカ部分のディテール精度はもちろん、体に繊細に張りつくスーツの精度にも注目したい。

メカ+美少女の構成は以前からあるものだが、メカに関しては機構に説得力を持つ実在兵器寄りのメカデザインが近年の一つの特徴であり、体型もこれまでムチムチ一遍同の気があった美少女フィギュアのデザインから、いささか細めといえる体系のデザインに変化してきている事を認識せざるをえない。
こうした自作コンテンツ等での細い肢体の流れは、先日TRIKTにて発表されたフィギュアのデザインを行った気鋭のイラストレーターLM7氏の「LAVENDER QUARTZ」等でも見て取ることが出来る。若手クリエイターによる価値観の多様化は確実に始まっているのである。

ハトは何故、こうした変化に追随できるのだろうか。その理由は彼本来の性癖にある。本作品の細い肢体、クイっと曲げた足首、ハイヒールなどにその性癖の片鱗を見ることが出来る。
(興味のある向きはハトのWF2016Winterでの作品「泊地水鬼」もぜひ調べてみて欲しい。)

最近は映像・プログラミング方面にも興味を示しているそうであるが、そうした多方面への関心が本作を初めとする制作物に従来の枠を超えた「何か」を与えるであろう事は想像に難くない。
常に新しいジャンルへ挑戦し続ける、若手クリエイターの未来を感じさせる意欲作である。
造形からあふれ出す「若さ」をぜひ堪能していただきたい。

からのコメント


こんにちは、ハトです。最近はインターナショナル対応のため、Hatoを名乗っております。
普段は人の皮を被って活動していますが、ついに本来の姿を公開してしまいました。ハトの姿をしているのがボクです。

今回は憧れのワンダー詐ショウケースに選抜していただき、大変嬉しく思います。
以前よりワンダー詐ショウケースには興味があり、これまでの発表者の方々の自由な造形に大きな刺激を受け、ぜひ自分も参加したいと考え、今回意を決し自薦いたしました。
メカ+美少女の組み合わせはアナログでやってた頃から好きで、13歳、中一の頃、電車の吊広告でオタクに開眼して以来、注目し続けているモチーフです。尊敬するイラストレーターcellさんのイラストの立体化、自分の持てる技術の強みを惜しみなく発揮することが出来るモチーフだと感じ、自由に制作を行いました。cellさんの持つイラストの魅力を感じ取っていただければ幸いです。
cellさんの事はzbrushを触りはじめた頃から知っており、ボクのやりたい「造形を軸として、映像、デザイン等へ幅を広げるような活動をしたい」方向を次々に実現している存在として憧れに似た感情を持っています。
そんなcellさんのイラスト「nova」を見た瞬間に「あ、コレ作る!」と脳髄にキたため、作ることしました。偶然にもその日は、ボクの誕生日でした。

現在の原型制作の主体はZBrushで自作プラグイン開発等も行っています。微力ですが3DCG業界の発展の一助になればとtipsや技術の公開も行っています。
また映像・ゲーム関連の開発にも興味があり、CINEMA 4Dによる映像関連の勉強もはじめました。
原型制作会社で頂いている商業のお仕事は、マスプロダクトのルール上でチームプレイで行うもので、これまでにない色々なことを学ばせていただいています。ただ、自由な発想でのモデリングも平行して継続し、技術や発想の幅を広げ、WFが終わったら映像関連の活動を中心に行うため、しばらくは趣味の造形は中断しようかと思ってます。

最後に、この企画に誘ってくださったよるのまさひこP、大学の先輩でもあるこーほくさん、そしてこれまで支えてくださったエルドラモデル初め、お世話になりましたフィギュア・3DCG業界の皆様、そして何よりも素敵なキャラクターを生んでくれたcellさん、ありがとうございました。
そしてこれからもよろしくお願いいたします。


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